緊張は「心の記憶」として身体に残る
日々の生活で感じる緊張や不安、それらがどこから来ているのか、わたしたちは正確に言葉にすることができないことがあります。
身体は言葉にできない心の記憶を確かに覚えていて、肩や背中、呼吸、そしてお腹の奥深くに「まだ終わっていない何か」を抱えているのです。
それをやさしく解いていく鍵のひとつが、アーユルヴェーダのオイルトリートメント
アビヤンガです。
アビヤンガとは
アビヤンガは薬草オイルをたっぷりと使い、ドーシャに応じて全身を包み込むようにトリートメントするアーユルヴェーダの技法です。
このオイルトリートメントは単なるマッサージではなく、神経系を深く鎮め、過緊張状態にある体を安全と安心の感覚へ導く行為です。
外から見えない「防御反応」が心身の緊張という状態。
とくにインナーチャイルドの傷や、過去のトラウマ的な体験がある人は、体に“無意識の鎧”のようなものをまとっています。
アビヤンガは、皮膚という“こころの一番外側”に触れ、「あなたはここにいていい」「今は大丈夫」という感覚を、言葉ではなく体感で思い出させてくれるケア。
緊張がとけると体の奥の“ぎゅっと握りしめていたもの”がほどけていくことで呼吸が深くなり心がゆるみます。人間の体は不思議なもので、心の緊張がほぐれると、身体の緊張もほぐれます。
そして不要な緊張状態を解くことで交感神経が高まり、消化の機能が上がり代謝がスムーズにされ、栄養を取り込む土台ができます。
そこから始まる。
過去の自分を受け入れていくことも、今の自分と向き合っていくことも。
家族の幸せや安寧を守っていくことも。
自分の経験からも、そう思います。
たった一度のトリートメントでも、奥底に眠っていた安心感がふわっと立ち上がることがあります。私にとってアビヤンガは小さな祈りのような時間。
一度立ち止まったところで自分を見つめなおす時間。
施術ベットから起き上がるとき感じる充足感、皆様にも体験いただけたら幸いです。